特定電子メールの
送信の適正化等に関する法律
(迷惑メール防止法)
(平成十四年四月十七日法律第二十六号)

特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
(迷惑メール防止法)

昭和29年5月15日 法律第100号
昭和29年6月15日 施行

(目的)
第一条  この法律は、一時に多数の者に対してされる特定電子メールの送信等による電子メールの送受信上の支障を防止する必要性が生じていることにかんがみ、特定電子メールの送信の適正化のための措置等を定めることにより、電子メールの利用についての良好な環境の整備を図り、もって高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的とする。


(定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一  電子メール 特定の者に対し通信文その他の情報をその使用する通信端末機器(入出力装置を含む。次条において同じ。)の映像面に表示されるようにすることにより伝達するための電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。)であって、総務省令で定める通信方式を用いるものをいう。

 二  特定電子メール 次に掲げる者以外の個人(事業のために電子メールの受信をする場合における個人を除く。)に対し、電子メールの送信をする者(営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人に限る。以下「送信者」という。)が自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールをいう。

  イ あらかじめ、その送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨をその送信者に対し通知した者(当該通知の後、その送信をしないように求める旨を当該送信者に対し通知した者を除く。)
  ロ その広告又は宣伝に係る営業を営む者と取引関係にある者
  ハ その他政令で定める者

 三  電子メールアドレス 電子メールの利用者を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。


(表示義務)
第三条  送信者は、特定電子メールの送信に当たっては、総務省令で定めるところにより、その受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に次の事項が正しく表示されるようにしなければならない。

 一  特定電子メールである旨
 二  当該送信者の氏名又は名称及び住所
 三  当該特定電子メールの送信に用いた電子メールアドレス
 四  次条の通知を受けるための当該送信者の電子メールアドレス
 五  その他総務省令で定める事項


(拒否者に対する送信の禁止)
第四条  送信者は、その送信をした特定電子メールの受信をした者であって、総務省令で定めるところにより特定電子メールの送信をしないように求める旨(一定の事項に係る特定電子メールの送信をしないように求める場合にあっては、その旨)を当該送信者に対して通知したものに対し、これに反して、特定電子メールの送信をしてはならない。


(架空電子メールアドレスによる送信の禁止)
第五条  送信者は、自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として電子メールの送信をするときは、電子メールアドレスとして利用することが可能な符号を作成する機能を有するプログラム(電子計算機に対する指令であって一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいい、総務省令で定める方法により当該符号を作成するものに限る。)を用いて作成した架空電子メールアドレス(符号であってこれを電子メールアドレスとして利用する者がないものをいう。第十条及び第十六条第一項において同じ。)をその受信をする者の電子メールアドレスとしてはならない。


(措置命令)
第六条  総務大臣は、送信者が一時に多数の者に対してする特定電子メールの送信その他の電子メールの送信につき前三条の規定を遵守していないと認める場合において、電子メールの送受信上の支障を防止するため必要があると認めるときは、当該送信者に対し、当該規定が遵守されることを確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。


(総務大臣に対する申出)
第七条  特定電子メールの受信をした者は、第三条又は第四条の規定に違反して当該特定電子メールの送信がされたと認めるときは、総務大臣に対し、適当な措置をとるべきことを申し出ることができる。
 2  総務大臣は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。


(苦情等の処理)
第八条  特定電子メールの送信者は、その特定電子メールの送信についての苦情、問合せ等については、誠意をもって、これを処理しなければならない。


(電気通信事業者による情報の提供及び技術の開発等)
第九条  電子メールに係る役務を提供する電気通信事業者(電気通信事業法第二条第五号に規定する電気通信事業者をいう。以下同じ。)は、その役務の利用者に対し、特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資するその役務に関する情報の提供を行うように努めなければならない。
 2  電子メールに係る役務を提供する電気通信事業者は、特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資する技術の開発又は導入に努めなければならない。


(電気通信役務の提供の拒否)
第十条  第一種電気通信事業者(電気通信事業法第十二条第一項に規定する第一種電気通信事業者をいう。)は、一時に多数の架空電子メールアドレスをその受信をする者の電子メールアドレスとして電子メールの送信がされた場合において、自己の電気通信設備(同法第二条第二号に規定する電気通信設備をいう。)の機能に著しい障害を生ずることにより電子メールの利用者に対する電気通信役務(同条第三号に規定する電気通信役務をいう。以下この条において同じ。)の提供に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるときは、当該架空電子メールアドレスに係る電子メールの送信をした者に対し、その送信をした電子メールにつき、電気通信役務の提供を拒むことができる。


(電気通信事業者の団体に対する指導及び助言)
第十一条  総務大臣は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であって、その会員である電気通信事業者に対して情報の提供その他の特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資する業務を行うものに対し、その業務に関し必要な指導及び助言を行うように努めるものとする。


(研究開発等の状況の公表)
第十二条  総務大臣は、毎年少なくとも一回、特定電子メールによる電子メールの送受信上の支障の防止に資する技術の研究開発及び電子メールに係る役務を提供する電気通信事業者によるその導入の状況を公表するものとする。


(指定法人)
第十三条  総務大臣は、総務省令で定めるところにより、民法第三十四条の規定により設立された法人であって、次項に規定する業務(以下「特定電子メール送信適正化業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、特定電子メール送信適正化業務を行う者(以下「指定法人」という。)として指定することができる。

 2  指定法人は、次に掲げる業務を行うものとする。

 一  第七条第一項の規定による総務大臣に対する申出をしようとする者に対し指導又は助言を行うこと。
 二  総務大臣から求められた場合において、第七条第二項の申出に係る事実関係につき調査を行うこと。
 三  特定電子メールに関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。


(改善命令)
第十四条  総務大臣は、指定法人の特定電子メール送信適正化業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、その指定法人に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。


(指定の取消し)
第十五条  総務大臣は、指定法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。


(報告及び立入検査)
第十六条  総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定電子メール若しくは架空電子メールアドレスをその受信をする者の電子メールアドレスとする電子メールの送信者に対し、これらの送信に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、これらの送信者の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 2  総務大臣は、特定電子メール送信適正化業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、指定法人に対し、特定電子メール送信適正化業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、特定電子メール送信適正化業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 3  前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

 4  第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。


(都道府県が処理する事務)
第十七条  この法律に規定する総務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。


(罰則)
第十八条  第六条の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。


第十九条  第十六条第一項若しくは第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。


第二十条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。




附則


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
2 政府は、この法律の施行後三年以内に、電気通信に係る技術の水準その他の事情を勘案しつつ、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

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