自己啓発セミナー
自己啓発セミナー・自己実現講座
- 「人生で成功する」「今の自分をより良く変える」ことを目的とした数日間に及ぶセミナー
1980年ごろに、アメリカより上陸した自己啓発セミナー会社を皮切りに、そこから次々と分派した企業が同様のセミナーを開業し、1990年代にピークを迎えました。
これらのセミナーのプログラムは、3段階に分かれていることが多く、まず、1段階目では3~4日間の通いのコースがあり、卒業するとすぐさま2段階目に勧誘されます。
2段階目は、4~5日間の宿泊コースが多く、強烈な心理的な実習が行われます。そして、卒業後には3段階目へと勧誘されるわけです。
しかし、実際のところ、ほとんどの自己啓発セミナーは反社会的な教えを説いたり、宗教的な洗脳を行っているわけではありません。セミナーの内容自体は成功哲学や人生訓的なもので、それを心理療法のテクニックを取り入れながらドラマチックに提供している、といえるでしょう。
自己啓発をサポートすること自体は悪いことではありません。
これまで気づかなかった自分自身や、新しい物の見方や考え方を知ることは自分自身の可能性を広げることにつながるのは事実です。
それでは何が問題だったのかというと、そのセミナーの内容ではなく、受講生自身に「勧誘活動」を行わせることになる3段階目のシステムにあるのです。
セミナー会社の多くは広告や宣伝で受講生を集めていたのではなく、クチコミや勧誘によって新規受講生を獲得していました。
3段階目の受講期間は3ヶ月~4ヶ月間におよび、頻繁にミーティングや勧誘研修を繰り返しながら進められます。
この間、受講生は知人に電話をしまくったり、街頭で声を掛け回ったりするので、この勧誘制度が評判が悪く、社会問題を引き起こすきっかけとなってしまったのです。
1990年代のブームが過ぎ、社会的な批判とバブル崩壊の影響から最近では自己啓発セミナー業者の数はだいぶ減りました。既存のセミナー会社でも、問題の多かった3段階目の勧誘活動を行わない会社も増えてきました。
また、「就職セミナー」や「社員研修」、「カウンセラー養成講座」のように形を変えながら今の時代にあった内容へと変遷をとげていった会社もあります。
- 自己啓発セミナーのクーリングオフ期間
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- 自己啓発セミナーのクーリングオフ期間は8日間
自己啓発セミナーの消費者相談事例
友人から勧誘されて自己啓発セミナーに参加
「今の自分を変える」ことを掲げるセミナーに友人が参加したらしく、熱心に薦めてくるので、説明会に参加したところ、セミナー会社の社員やボランティアの人たちの説得を受けて、その場で150万円もする成功哲学教材とセミナーの契約をしてしまいました。
どうにか解約することができないでしょうか。
(神奈川県 22歳)
当事務所の対応結果
当事務所の手続により、無事に契約解除が成立しました。
Confidence trick
悪徳商法の手口と消費者相談事例

内職商法
「自宅で簡単にできる仕事」で「ローンは収入で払える」等と誘い、高額な教材等を買わせます。しかし、業者指定のテストに合格できない等の理由をつけて仕事はもらえず、結局ローンの支払だけが残る等が典型例です。

デート(結婚)商法
最近では、SNSで近づき(知り合い)、事前に相手の職業や趣味等の個人情報を集めてから実際に会い、高額な商品や結婚を前提にマンション等の購入を薦めるケースがよく見られます。

訪問購入
いわゆる「押し買い」と呼ばれる商法で、貴金属等を不当に安い値段で買い取られるなど高齢者の被害が多くなっています。2012年の法律改正で「クーリングオフ」が適用されるようになりました。

二次被害
悪質商法の被害者の個人情報を何かしらの手段で入手して、その被害に関連づけて、新たな契約を結ばせる商法です。商品やサービスの販売のほか「(被害者等の)名簿から抹消する」などの勧誘トークが使われる場合もあります。

投資商法
「よい投資先がある」等と誘い、実態のないファンドや社債、市場価値がない未公開株等に投資をさせる手口や「投資のコツを教える」等の触れ込みで、株式投資に興味を持つ大学生等に高額(数十万円~)なDVD等を販売する、という例も多く見られるようです。