先物取引商法
先物取引商法・悪徳商法の手口
- 商品先物取引商法のシステムは非常に複雑
商品先物取引は、将来の一定時期に商品を引き渡し、その代金を支払う約束のもとに取引所において買い付けまたは売り付けを行い、その時期が到来する前に転売または買戻しを行うことによって差金決済をする取引です。
悪質商法の手口としては、自宅や職場に電話したり訪問して、「今がチャンス、絶対もうかる」などと、商品の先物取引を勧誘し、委託証拠金をだまし取るものです。対象となる商品は、大豆・トウモロコシ・砂糖・コーヒー豆・金・銀・白金・油(原油・灯油・ガソリン)・ゴムなどです。
- 次々に不足金を清算しなければならず、被害額が大きくなる
取引の際に業者に支払うのは、売買代金ではなく、委託証拠金といって、実際の売買代金の1割か2割の金額です。そのため利益が出れば大きいのですが、損失が出た場合には、資金がなくなるだけでなく、さらに不足金を清算しなければならないリスクもあるのです。
だましのトークは次のようなものです。
- 「今原油を買っておけば、確実に1.5倍の利益が得られます」
- 「米国産の大豆を買うなら、今が絶好のチャンスです。1ヵ月ほどで確実に儲かります」
- 「退職金で有利な資産運用しませんか。砂糖の国際価格が確実に上昇します。投資しておけば確実にもうけられます」
- 「ここだけの話です。今しかない話があります」
- 「ウチのお客さんが買った商品に膨大な利益が出ました」
- 「私はプロです。絶対に損はさせません、任せてください」
- 「銀行よりも有利です。一ヶ月だけ預けるつもりでどうですか」
よく使われる商品・サービス
大豆・トウモロコシ・砂糖・コーヒー豆・金・銀・白金・油(原油・灯油・ガソリン)・ゴム
先物取引商法の消費者相談事例
話を聞いてみると「先物取引」の話だった。
自分は全く仕組みがわからないので断ったが「当社が全部サポートしますので、ご安心ください」、「お任せください。損はさせません」等と言われ、契約してしまった。しかし実際に取引が始まると「資金を追加で入れてください」という連絡ばかり。
もうこれ以上、資金は入れられない、と言うと口調が変わって「今、辞めたら大損するだけですよ」等と言われた。何とか解約したい。
(兵庫県 60代 男性)
当事務所の対応結果
当事務所の手続により、業者の勧誘時の問題点等を指摘して解約ができ、申込金等も一部が返金されました。
Confidence trick
悪徳商法の手口と消費者相談事例

内職商法
「自宅で簡単にできる仕事」で「ローンは収入で払える」等と誘い、高額な教材等を買わせます。しかし、業者指定のテストに合格できない等の理由をつけて仕事はもらえず、結局ローンの支払だけが残る等が典型例です。

デート(結婚)商法
最近では、SNSで近づき(知り合い)、事前に相手の職業や趣味等の個人情報を集めてから実際に会い、高額な商品や結婚を前提にマンション等の購入を薦めるケースがよく見られます。

訪問購入
いわゆる「押し買い」と呼ばれる商法で、貴金属等を不当に安い値段で買い取られるなど高齢者の被害が多くなっています。2012年の法律改正で「クーリングオフ」が適用されるようになりました。

二次被害
悪質商法の被害者の個人情報を何かしらの手段で入手して、その被害に関連づけて、新たな契約を結ばせる商法です。商品やサービスの販売のほか「(被害者等の)名簿から抹消する」などの勧誘トークが使われる場合もあります。

投資商法
「よい投資先がある」等と誘い、実態のないファンドや社債、市場価値がない未公開株等に投資をさせる手口や「投資のコツを教える」等の触れ込みで、株式投資に興味を持つ大学生等に高額(数十万円~)なDVD等を販売する、という例も多く見られるようです。